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ミドル級頂上対決!絶対王者GGG防衛か、2階級制覇カネロが時代を変えるか!?
2017.09.15 update

ここ数年噂されてきた、現代ミドル級の最高峰のビッグマッチが9月16日(日本時間17日)アメリカはネバダ州ラスベガスのT―モバイル・アリーナで遂に開催される。WBAスーパー・WBC・IBFミドル級3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)に、WBA3位として元2階級制覇王者サウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)が挑む。

ゴロフキンがWBA世界王座となり早7年以上。WBC、IBF王座も吸収し、3団体統一王者となって2年近くが経つ。今年5月、WBAレギュラー王者・ダニエル・ジェイコブス(アメリカ)戦で連続KO防衛記録は17で遂にストップ、連続KO勝利も23試合で止まってことで、急に外野が騒がしくなった。

ゴロフキンは04年アテネ五輪ミドル級銀メダル獲得などアマで活躍し、06年5月に24歳でプロ転向。10年8月、WBA世界ミドル級暫定王座を獲得(のちに正規認定)。以後、正規王者からスーパー王者に昇格したWBAは17度、14年10月、WBC暫定王者マルコ・アントニオ・ルビオ(メキシコ)から奪ったWBCは6度、IBF3度の防衛中。37戦全勝33KO。

今でこそ大会場のメインイベンターだが、統一王者になる以前は、小国出身王者の宿命か、世界各国を転戦し、防衛を重ねることで地道に知名度を上げていった苦労人。15年10月にカナダの人気者IBF王者デイビッド・レミューとの王座統一戦が初のPPV放送だった。

対するカネロは現WBO世界スーパーウェルター級王者で、元WBA、WBC世界スーパーウェルター級スーパー王者、元WBC世界ミドル級王者の世界2階級制覇王者。

先にプロデビューしていた兄3人の後を追い、05年10月に15歳でプロデビュー。11年3月、WBC世界スーパーウェルター級王座決定戦でリッキー・ハットン(イギリス)の弟、マシュー・ハットンに判定勝ちで世界初戴冠。13年4月、WBA世界同級王者オースティン・トラウト(アメリカ)との王座統一戦に判定勝ちで2冠。WBC王座V6、WBA王座も獲得。

同年9月、WBAスーパー王者フロイド・メイウェザー・ジュニア(アメリカ)と同級規定より2ポンド軽い152ポンド契約の王座統一戦に判定負け。WBA(V6)、WBC(V0)王座を失ったのが唯一の黒星。以後はMONEYを見習ってか、タイトルにはこだわらず、階級を上下しながらキャッチウェイトを駆使して、ビッグネームとのビッグマッチ路線に突入する。

15年11月にはWBC世界ミドル級王者ミゲール・コット(プエルトリコ)と、ミドル級より5ポンドも軽い155ポンド契約のキャッチウェイト戦に判定勝ちし、2階級制覇。元WBA&IBF世界スーパーライト級王者アミール・カーン(イギリス)とのV1戦も155ポンド契約で6回KO勝ち(のち王座返上)。

昨年9月、WBO世界スーパーウェルター級王者リアム・スミス(イギリス)に9回KO勝ちで再戴冠。今年5月、メキシコボクシング史上最高のボクサーを父に持つ、元WBC世界ミドル級王者・フリオ・セサール・チャベス・ジュニア(メキシコ)との164.5ポンド契約に勝利。ようやくミドル級リミットで戦う自信がついたか、遂にゴロフキンとの試合の契約書にサインした。51戦49勝34KO1敗1分の26歳。

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正式なミドル級リミットでの実績はないが、興行面では、メキシカンを中心に多大なファンを持つアルバレスが圧倒的にAサイドといえる。

ゴロフキンが35歳になり、ピークを過ぎつつある今まで待ち続けたカネロ陣営には、当然批判もある。28歳のアルバレスの実力が上昇し続けていると仮定すると、緩やかな下降線に入ったゴロフキンとの実力差は縮まってきている。が、逆転するほどの上積みがあったかは、疑問がある。

公式サイズでは、身長179センチのゴロフキンが4センチ上回る一方、リーチは178センチと逆に2センチ下回る。それでも、数値に反映されない骨格や厚みも含めると、やはり長年ミドルで戦い続けてきたGGGにフィジカル面ではアドバンテージがある。表面上には表れない数値も考慮すると、現時点ではゴロフキンの戦力がやや上との評価になりそうだ。

アルバレスは、時おり印象的なノックアウトシーンも演出するが、本来はスピードあるコンビネーションが武器。スーパーウェルター級まではハードパンチャーだったカネロだが、ミドル級でそのパワーがどこまで通用するか。左右ともに1撃で倒せる武器を有する、KO勝利率89%のスラッガーのゴロフキンと正面衝突するほど無策ではないだろう。

アルバレスは、メイウェザーにこそ、超高等タッチボクシングでポイントを奪われたが、ディフェンス技術も高い。185センチの長身ジェイコブスが成功しかけたアウトボクシングに徹すれば、判定で逃げ切るのは難しいことではないだろう。

ミドルレンジから接近戦では無類の強さを誇るゴロフキン。得意な距離は、必ずしも万能ではないが、追い詰めてからの決定力は隋一。ゴロフキンの命綱のパワーはまだまだ同階級トップクラス。展開次第では、ノックアウトも見られるか。

一方、メイウェザーの高等タッチボクシングに否定的な発言をし、宣言通りファイタースタイルを貫いてきたゴロフキンは、近年はディフェンス面で綻びも指摘されている。ショーマンシップを兼ねて、避けられるパンチを被弾してきた無用なダメージの蓄積か、年齢による衰えか。敏いカネロならつけ入る隙はありそうだ。

s-l300ここ数戦のカネロは、ネームバリューがありつつ、勝てそうな相手を選んでいた感もある。超一流の相手とのギリギリの攻防で、もう一皮剥けて、覚醒する姿が見られれば、タイトル移動も充分あり得るだろう。

ゴロフキンサイドからは、王者が勝てば、王座をすべて返上し、スーパーミドル級に階級アップする計画があるとも伝えられている。

アンダーカードの注目カードは、26歳の元IBF世界バンタム級王者ランディ・カバジェロ(アメリカ/24戦全升14KO無敗)と、6階級制覇したオスカー・デ・ラ・ホーヤの従弟にあたる23歳のディエゴ・デ・ラ・ホーヤ(メキシコ/19戦全勝9KO)による、無敗同士のNABF北米スーパーバンタム級タイトルマッチ。勝者が近い将来世界タイトル戦線に浮上するのは間違いない。

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