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12/30 ボクシングフェス2014 試合展望
2014.12.22 update

いよいよ迫ってきた年末恒例のボクシングイベント。12月30日「ボクシングフェス2014 SUPER BOXEO」3大タイトルマッチを中心に試合展望を。

■WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ
王者 オマール・ナルバエス(アルゼンチン)46戦43勝(23KO)1敗2分 vs 同級8位 井上尚弥(大橋)7戦7勝(6KO)

39歳絶対王者の貫禄か、21歳、日本最速2階級制覇なるか

日本最速6戦目で世界王座となった前WBC世界ライトフライ級王者の“怪物”井上尚弥。初防衛後の選択肢は王座を返上、今回のタイトル挑戦となった。21歳の伸び盛りの井上にとって、2階級上げたことが吉と出るか凶と出るか。

井上

オマール・ナルバエスは2度のオリンピック出場の後、25歳でのプロデビュー。2002年にWBO世界フライ級王座16回防衛のち返上、WBO世界スーパーフライ級王座11回防衛中の死角なしの王者。唯一負けた相手が、当時WBC・WBO世界バンタム級王者、のちアジア人初の5階級制覇を果たしたノニト・ドネア(フィリピン)。

対日本人戦は1試合、昨年8月、スーパーフライ級8度目の防衛戦で当時同級15位の久高寛之(仲里ジム)を相手に、ほぼ何もさせないまま10回TKO勝ちで退けている。久高は奇しくも井上と同じ身長163cm、右ボクサーファイター。

年齢を感じさせない締まったボディに“ハリケーン”の異名の如く、打ち始めると止まらない回転数の多いラッシュを仕掛ける無尽蔵なスタミナ。ガードも一級品だが、前戦のフェリペ・オルクタ戦では、時折攻め込まれるシーンも見られ、若干ピークを過ぎた感はある。タイトル獲得時のようなラッシュを仕掛けられたら、井上に勝機はある。

前戦では後半スタミナ不足が伺えたが、減量苦から軽減された今、スタミナ面に不安はない。持ち味のスピードを活かして“怪物”の本領発揮となるか。メインイベントに相応しい世界トップレベルの攻防が期待できそうだ。




■WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ
同級1位・シルバー王座 ペドロ・ゲバラ(メキシコ)25戦23勝(15KO)1敗1分 vs 同級3位 八重樫東(大橋)24戦20勝(10KO)4敗

八重樫

空位のWBCライトフライ級王者の行方は

井上が返上したWBC世界ライトフライ級奪還を狙うのが、同じ大橋ジムの八重樫東。WBA世界ミニマム級、WBC世界フライ級に続いて、3冠達成なるか。

WBC世界ライトフライ級シルバー王座で同級1位のペドロ・ゲバラは、世界タイトル戦は2年ぶり2度目となる。プロでの試合経験は同等ながら、世界戦の経験は八重樫に分がある。八重樫のこれまでの世界戦の相手と比べると、一発の破壊力こそないが、パンチをまとめられると厄介な相手ではある。

一方の八重樫は、9月のWBC世界フライ級タイトルマッチではローマン・ゴンサレス(ニカラグア)相手に玉砕覚悟のような打ち合いを挑み、9回KO負けを喫した。1階級落としてのタイトルマッチは、減量を無事クリアできるかが鍵になりそうだ。本来の持ち味である足を使ったアウトボクシングを駆使できれば、勝機はある。勝ちにこだわる八重樫が見られるだろうか。




■ミドル級10回戦
WBC世界ミドル級7位 村田諒太(帝拳)5戦5勝(4KO) vs ジェシー・ニックロウ(アメリカ)31戦24勝(8KO)4敗3分

世界王者を嘱望される、五輪金メダリスト

期待されているからこそ、ファンから村田への注文は多い。一戦一戦課題をクリアし、進化し続けているが、金メダリストも28歳。WBA世界ミドル級スーパー王者のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)ら強豪ひしめくミドル級のタイトル戦線に、村田が躍り出るのはいつになるのか。

サイズは村田182cm(リーチ195cm)と、ニックロウの身長175cm(リーチ173cm)を上回るが、判定決着の多い、打たれ強いタフなタイプ。前戦でメキシコミドル級王者のアドリアン・ルナ(メキシコ)を10ラウンドで倒しきれなかった反省を踏まえて、KO決着で終わらせてほしいところ。




■WBC世界ライト級王座決定戦
WBC世界ライト級1位 ホルヘ・リナレス(帝拳) 40戦37勝(24KO)3敗
vs
WBC世界ライト級2位、WBCシルバーライト級チャンピオン ハビエル・プリエト(メキシコ)33戦24勝(18KO)7敗2分

復活したベネズエラのゴールデンボーイ、3階級制覇なるか

元WBC世界フェザー級、元WBA世界スーパーフェザー級と2階級制覇のリナレスの、3年ぶりとなる世界タイトルマッチ。WBCライト級王者オマール・フィゲロアの負傷による休養中のため、同級シルバー王者のプリエトとの王座決定戦となった。プリエトは世界初挑戦。過去の試合を見た限りでは、技巧派のボクサーファイターか。リナレスと好試合になりそうだが、テクニック、スピード、ボクシングセンスと、リナレスが上回っている様子。

2度目の防衛戦でファン・カルロス・サルガドに1ラウンドTKO負けで王座陥落から5年。ここ1、2年の試合では、全盛期を彷彿とさせる華麗なテクニックを披露しているリナレス。3階級制覇に期待が持てそうだ。




■OPBF東洋太平洋スーパーフライ級王座決定戦
WBA世界スーパーフライ級10位 松本 亮(大橋)12戦12勝(10KO)
vs
IBF世界スーパーフライ級8位 ルサリー・サモール(タイ)32戦25勝(11KO)5敗2分

後楽園ホールならメインイベント、豪華なアンダーカード

デビュー以来12連勝中、若干20歳の松本。前戦では、元WBA世界フライ級王者、38歳となったデンカオセーン・カオウィチットを2ラウンドKO勝ちで世界ランク入りを果たした。一方のサモールは現在30歳。昨年10月、奥本貴之(グリーンツダ)をKOで破りI BFアジアスーパーフライ級王座を獲得しており、決して侮れない。




■フライ級8回戦
WBA世界フライ級6位・WBC世界フライ級10位 井上拓真(大橋)3戦3勝(1KO)
vs
WBC世界フライ級18位 ネストール・ナルバエス(アルゼンチン)25戦20勝(9KO)2敗2分1無効試合

兄同士はタイトルマッチ、アンダーカードで弟同士の代理戦争
井上尚弥の弟、拓真の世界前哨戦は、オマール・ナルバエスの弟、ネストール。

デビュー戦で当時日本ミニマム級8位の福原辰弥に、2戦目は当時WBA世界ライトフライ級4位のファーラン・サックリンJr.に判定勝ち。3戦目では初のKO勝ちと兄同様にチャンピオンロードを目指す。

ネストールは2012年11月に五十嵐俊幸(帝拳ジム)のWBC世界フライ級タイトル初防衛戦で2ポイント差と僅差での判定負けと、最後まで苦しめた試合巧者。こちらも兄同様、老獪なテクニックで魅せてくれるだろう。

タイトルマッチからアンダーカードまで、屈指のカードが揃った、見どころ満載の今年のボクシングフェス。有終の美を飾れるのは誰になるだろうか。

Photo: Hiroaki Yamaguchi

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