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12/31 井岡一翔&W世界戦
2014.12.24 update

年末恒例のボクシングイベント。2014年12月31日は東京・大阪で2大興行が行われる。今回はその大阪ボディメーカーコロシアム(大阪府立体育会館)の試合展望から。

■WBA・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ
WBA・WBO同級統一王者 ギジェルモ・リゴンドー14戦14勝9KO無敗(キューバ)vs WBA同級10位 天笠 尚34戦28勝19KO4敗2分(山上)

22日に来日したリゴンドー、日本の寒さに手を焼いている以外は、調整も順調そのもの。天笠は番狂わせを起こせるだろうか。

チャンピオン絶対有利との前評判。不安要素があるとすれば、34歳という年齢と、試合間隔の長さ。2013年以降はわずか3試合しかしていない。そしてトレーナーが頻繁に変わることくらいだろうか。身長179cmの天笠に対して165cmのリゴンドー。15cmの身長差はどう影響するだろうか。

本来フェザー級の天笠にとって、スーパーバンタム級は初めての試合。痩躯とはいえ、179cmある天笠にとって、1階級落としての減量はかなり厳しいと思 われる。前回の防衛戦(10月15日)は判定負け寸前から、最終ラウンドでの逆転TKO勝利。試合間隔わずか2カ月半、ダメージは抜けたのか。世界戦までの準備期間も1ヵ月少々という厳しい状況。




■フライ級10回戦(世界前哨戦)
WBA同級3位・WBC9位・IBF10位 井岡一翔 16戦15勝9KO1敗(井岡) vs  WBA同級10位 ジャン・ピエロ・ペレス 28戦20勝14KO 7敗 1分(ベネズエラ)

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井岡4年連続の大晦日マッチも、今年はタイトル戦ならず。相手は3年以上前にWBA世界フライ級暫定王者だった、現在は世界ランク圏外のペレス33歳。

WBA地域王座を経て、2011年1月に獲得したWBA世界フライ級暫定王者がピーク。初防衛戦でファン・カルロス・レベコ(現WBA同級王者)に2回KO負け。ミラン・メリンド(現WBAライトフライ級3位)の持つWBOインターナショナルフライ級王者に挑戦も判定負け。2013年3月のコンパヤック・ポープラムック(元WBC世界ライトフライ級王者)とのWBA世界フライ級暫定王座決定戦に6回TKO負けしたのを最後に、タイトル戦線から脱落した。

試合自体が、2013年11月にデビッド・サンチェス(現WBAスーパーフライ級1位)に1回KO負けして以来、1年ぶりとなる。約5年間世界ランカーだったが、現在は15位圏外。タイトル戦線での勝率は低めで、7敗のうちKO負けが4、接近戦には少々打たれ弱い。世界前哨戦の相手としては少々物足りないが、王座挑戦前の調整試合と考えると、それなりに実績がありつつ、万が一倒される心配もなく、ある意味適役か。

フライ級転向後の2試合では、時に打ち込まれ、本来の動きとは言えなかった井岡。相手を圧倒するような強さを取り戻し、王座挑戦につなげることができるか。




■IBF・WBO世界ミニマム級王座決定戦
WBO1位・IBF3位 高山勝成 35戦27勝10KO6敗2敗(仲里) vs  IBF6位・WBO2位 大平 剛 16戦10勝1KO3敗3分(花形)

日本初、世界でも極稀な、王者不在の挑戦者同士による、複数団体王座の決定戦。

優勢と予想されるのが高山。日本人初のWBC (2005年・対イサック・ブストス[メキシコ])・WBA(2006年・対カルロス・メロ[パナマ]※暫定王者)・IBF (2013年・対マリオ・ロドリゲス[メキシコ])の3団体の元世界王者であり、今回で世界タイトル戦も12回目。中学卒業後17歳でプロデビュー。2002年の世界ランク入りから12年間、ほぼタイトル戦線に居続けてきた。王座挑戦のためなら、JBCから離脱する(約4年後に復帰)、敵地にも乗り込む。日本のボクシング界では異色な、野武士的魅力のボクサー

一方の大平は、法政大学在学中の2006年2月にプロデビュー。3連勝したが就職で同年引退。2009年に一部上場企業から脱サラして、再びボクシング人生を歩み出した、これまたボクシング馬鹿。

大平の転機は、2012年12月、世界タイトル(エドガル・ソーサの持つWBC世界ライトフライ級王座)挑戦経験がある、当時WBCミニマム級15位の國重隆に勝利したところから。1年後の2014年1月、プロ15戦目にして日本ミニマム級王座となった。2度の防衛戦を経て、世界ランカーとの対戦は一度もないまま、高山との世界王座決定戦に挑む。1年間で、日本王座に続く2本目のタイトル、世界王座も手にすることはできるだろうか。

対照的な経歴を持つが、同じくらいボクシングへの業の深さを感じる、31歳高山と30歳大平、同世代同士の王座決定戦。変則サウスポー大平のスピードとテクニックが高山に通じるか。高山がIBF・WBO世界ミニマム級王座統一戦で判定負けした前戦の相手、フランシスコ・ロドリゲス・ジュニア(メキシコ)もサウスポーだったが…。

高山の悲願、4団体王者がいよいよ実現するか。

同日の東京・大阪での2大興行、ボクシングファンには、何とも悩ましくも嬉しい一日となる。大阪の2大タイトルマッチは、番狂わせが起きるか、そのドラマ性にも注目したい。

Photo: Hiroaki Yamaguchi

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