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12/31 THE BEST OF BEST 試合展望
2014.12.25 update

年末恒例のボクシングイベント。2014年12月31日、大田区総合体育館で開催される「BEST THE BEST」は、実に豪華な世界タイトル3連戦。試合展望を順にみていきたい。

WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ
王者 内山高志(ワタナベジム)22戦21勝17KO1分 vs 同級8位 イスラエル・ペレス(アルゼンチン)30戦27勝16KO2敗1分

内山
“ノックアウト・ダイナマイト”内山の1年ぶりV9となる防衛戦。相手は同じ35歳、初の世界挑戦となる同級8位のペレス。これまで世界クラスのボクサーとの対戦経験はないものの、ここ11年間負けなし。1分けを挟んで18連勝中で、WBA、WBCの中南米地域王座を獲得している。

ペレスは2000年シドニー五輪に出場したアマ出身。スピードはないが、プレッシャーをかけて、重そうなパンチを時に強引に振り抜くファイタータイプ。ディフェンスは堅く、ランク下位といえども侮れない。

内山はハードパンチャーの宿命、右拳の痛みに悩まされてきたが、1年間の休養で体調は万全。KO決着に期待がかかるが、堅守のペレス相手では、フルラウンドでの判定決着の可能性もある。V6のブライアン・バスケス戦で見せてくれたような、たたみ掛けるようなラッシュが見たいところだが。

順当なら内山、番狂わせには充分注意が必要。



■WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ

王者 河野公平(ワタナベジム)38戦30勝13KO8敗 vs 同級5位ノルベルト・ヒメネス(ドミニカ)31戦20勝10KO8敗3分

河野
2014年3月、同級級暫定王者デンカオセーン・カオウィチットとの王座決定戦に8回KOで勝利し王者に返り咲いた河野。WBAからの指名挑戦者、亀田興毅に振り回され、長らく試合ができなかったが、試合に合わせきっちり仕上げてきているだろう。スタミナ豊富な“タフボーイ”らしい手数の多いボクシングが見られるはずだ。

ヒメネスは23歳ながらプロ戦績31戦、2012年9月から2分けを挟んで18連勝と登り調子。格下相手の試合も多いが、2013年以降は軽量級の層が厚い中南米で、ドミニカ王者、WBA、WBCの地域王者を次々と獲得しており、その実力は軽視できない。

ヒメネスは粗さも目立つファイタースタイルで、勢いに乗らせると厄介な相手。接近戦、アウトボクシングもそれなりに器用にこなす。スタミナはありそうだが、ダウンも多い。ダイナミックだが安定性に欠ける河野とどちらが勝つにせよ、ダウンシーンはおそらく見られるだろう。

ボクシング馬鹿というほど素朴で真面目な王者に、いかにも悪童のヒメネス。キャラクターは正反対だが、ボクシングスタイル的にはかみ合うか。好試合になりそうだ。

ペースを乱されなければ河野やや有利か。



■WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ

王者アルベルト・ロセル(ペルー)41戦32勝13KO8敗1無効試合 vs 同級8位田口良一(ワタナベジム)23戦20勝8KO2敗1分

田口2
チャンピオンはペルー初の世界王者で国民的英雄という36歳。田口戦はV5戦となる。96年アトランタ五輪出場経験のあるアマ出身のロセルは、手数が多く、老獪なディフェンスで判定勝ちの多いボクサーファイター。

2012年4月、無敗王者ホセ・アルフレド・ロドリゲス(メキシコ)に判定勝ちし、34歳でWBA世界ライトフライ級暫定王者獲得している(ちなみにロドリゲスは同年12月、井岡一翔とのWBA同級王座決定戦で6回TKO負け)。その後格下の14位、15位を相手に、すべて判定で暫定王者を4度防衛、井上尚弥のタイトル返上によって、正規王者に昇格となった。実績から判断すると強い王者ではない。

同級8位の田口は、KO率こそ高くないものの、見るものを熱くさせる好戦的スタイル。13年8月、同級日本王座の初防衛戦では井上尚弥に判定負けを喫したが、その後2連勝でタイトル戦線に勝ち上がってきた。身長で8cm、リーチは15cmと田口が王者を上回り、おそらく威力も上。リーチ差を活かしてなるべく打たれずにダメージを与えたいところ。

田口
面白いのは、王者ロセルは母国ペルーでは負けなしだが、アウェーの国外での試合は12戦3勝8敗1無効試合と圧倒的に分が悪いこと。それもあって、これまでの防衛戦はすべて国内。田口戦は4年ぶりの国外マッチ、4年前はウーゴ・カサレス(メキシコ)相手に9回TKO負け、WBA世界スーパーフライ級王者獲得に失敗している(カサレスは10年5月に名城信男から王者奪取、同年12月、久高寛之相手にV3戦防衛、11年8月、V4戦で清水智信に負けて王者陥落)。心理的には田口有利か?

判定に持ち込めば王者ロセル、打ち合いなら田口にも分があるか。

王者が3人とも30代半ば、ベテラン揃いの大晦日のタイトルマッチ3連戦。王座移動はあるのか。今年最後にリング上で笑うのは、果たして?

Photo: Hiroaki Yamaguchi

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