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8.26亀海喜寛がミゲール・コットとの世界王座決定戦に挑む!
2017.08.23 update

8月26日(日本時間27日)アメリカ・カリフォルニア州カーソンのスタブハブセンターで行われるWBO世界スーパーウェルター級王座決定戦。元4階級制覇王者でWBO世界スーパーウェルター級1位のミゲール・コット(プエルトリコ)に挑むのは、元日本スーパーライト級王者A&元OPBF東洋太平洋ウェルター級王者、WBO世界同級6位の亀海喜寛(帝拳)。ボクシング興行の中心、アメリカでこれほどのビッグネームとの世界タイトルマッチは、日本ボクシング史に残るビッグマッチといえる。

■WBO世界スーパーウェルター級王座決定戦12回戦

WBO世界同級1位
ミゲール・コット(プエルトリコ)
VS
WBO世界同級6位
亀海喜寛(帝拳)

あらためて述べるまでもないが、ミゲール・コットは、プエルトリコ人初の世界4階級制覇王者。

00年シドニー五輪出場後、翌01年に20歳でプロデビュー。04年9月、23歳でWBO世界スーパーライト級王座を獲得(V6のち返上)、亀海がプロデビューする前から世界王者だった。

以後06年12月にWBA世界ウェルター級王座を獲得。08年7月、V5戦でアントニオ・マルガリート(メキシコ)に壮絶な乱打戦の末に11回TKO負けで王座陥落。09年2月にWBO世界ウェルター級王座を獲得。同年11月、V2戦でマニー・パッキャオ(フィリピン)に2度ダウンを奪われ、12回TKO負けで王座陥落。

10年6月、WBA世界スーパーウェルター級王座を獲得で3階級制覇。12年5月、フロイド・メイウェザーJr.(アメリカ)とのビッグマッチには3-0の判定負け。同年12月、WBA世界スーパーウェルター級王者オースティン・トラウト(アメリカ)にも3-0の判定負け。

14年6月にWBC世界ミドル級王座を獲得して4階級制覇(V1)。15年11月、元WBA&WBC世界スーパーウェルター級スーパー王者のサウル・アルバレス(メキシコ)とのミドル級リミット160ポンド(72.57キロ)より5ポンド軽い155ポンド(70.3キロ)キャッチウェイト戦に3-0の判定負け。カネロ戦以来、1年9カ月ぶりのリング復帰でいきなりタイトルマッチなのは、良くも悪くもビッグネームならでは。

45戦40勝33KO5敗、世界タイトルマッチも25試合目の大ベテラン36歳。



一方の亀海は、世界的な知名度ではコットから大きく後れを取る。

高校でインターハイ優勝、大学で国体優勝&全日本優勝とアマ3冠を達成。大学を卒業した05年11月に6回戦プロデビュー。10年4月、小野寺洋介山(オサム)にKO勝ちで日本スーパーライト級王座を獲得(V1のち返上)。2013年12月にはOPBF東洋太平洋ウェルター級王座を獲得している(V1のち返上)。

11年からは階級をウェルター級に上げ、アメリカ進出。13年からは拠点もアメリカに移した。国内では無敗だったが、激戦区のアメリカでは8戦して3勝3敗2分。

13年6月の元WBA世界スーパーライト級暫定王者ヨハン・ペレス(ベネズエラ)とのWBAインターナショナルウェルター級王座決定戦での判定負け、16年6月には元4階級制覇王者ロバート・ゲレーロ(アメリカ)に判定負けしたが、世界的な知名度を上げるきっかけとなった。

昨年4月のヘスス・ソト・カラス(メキシコ)と3者3様のドロー、同年9月の再戦に8回終了TKO勝ちを契機に、今年になってWBO世界ランク入り。遂に世界タイトル挑戦のチャンスを手に入れた。32戦27勝24KO3敗2分の34歳。

コットは年内で現役引退を表明しており、引退試合は12月2日、前IBFミドル級王者のデビッド・レミュー(カナダ)ではないかと海外では報じられている。コット及び、マネジメントのゴールデンボーイ・プロモーションの思惑は、当然、WBO王座を獲得し、レミューを相手に王座防衛して、花道を飾ることだろう。

激戦型の亀海戦から3ヶ月少々で次戦を予定しているのは、会場都合か、クリスマスシーズン前に試合を終えて家族と過ごしたいコットの思惑か。ダメージを残さず勝てる自信があるのだろうが、ひとつ間違えれば、油断ともなりかねない。亀海のタフさ、敵に回した時の厄介さは、長年彼を見続けているファンならご存知のとおり。

世界的な多数派の見方をすれば、亀海はコットの最終試合を前にした、調整試合の相手、アンダードッグ扱い。だが、その僅かな気のゆるみが命取りになるのがタイトルマッチの怖さだ。

コットは攻防ともに完成度が高い万能タイプとはいえ、メイウェザー、パッキャオという、より総合力が高い超一流王者には敗れている。更に、身長、リーチともに170センチと、中量級では小兵。180センチのアントニオ・マルガリート(メキシコ)や、175センチのアルバレスに屈したように、長身でタフなファイターは苦手としている。亀海は身長175センチ、リーチ180センチ、米国デビュー後は徹底的に泥臭いファイターだ。

コット陣営にしてみれば、テクニックとスピードで上回るため、一発の怖さがない亀海は安全パイと判断したのだろう。距離を保ち、手数と回転力に物を言わせ、連打でのストップ勝ちが狙いと思われる。

だが亀海のフィジカルの強さ、相手のパンチの芯を外して受け流すディフェンス技術に、必ずしもコット有利とも言い切れない。とはいえ、昨今はレベルの低いレフェリーやジャッジも散見されるため、亀海としては手数が止まることだけは避けたいところ。

2年近いブランク、歴戦のダメージに加え、36歳という年齢からくる衰えもあるコットに対し、亀海は34歳の今も、試合ごとに進化を見せている。両者の実力差はこれまでで一番接近しているともいえる。

足を使って出入りするコットに亀海がプレスをかけ、執拗なボディ攻めで泥試合に持ち込み、コットのスタミナと精神を削る展開となれば、金星も夢ではない。日本のファンにとっては、ジェフ・ホーン(オーストラリア)がパッキャオを破ったほどの番狂わせではなく、亀海勝利は充分あり得る結果。

三原正(三迫)以来36年ぶり、日本人4人目のスーパーウェルター級世界王者となるか。


スクリーンショット 2017-08-23 12.17.48 ■WBC世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦

WBC世界スーパーバンタム級チャンピオン
レイ・バルガス(メキシコ)
VS
WBC世界同級3位
ロニー・リオス(アメリカ)

アンダーカードでは、今年2月に前王者・長谷川穂積(真正)の引退に伴うWBC世界スーパーバンタム級王座決定戦に2-0で勝利し、王者となったバルガスの初防衛戦。バルガスはアマで活躍した後、10年4月プロデビュー。29戦全勝22KO無敗の26歳。

挑戦者同級3位のリオスは29戦28勝13KO1敗の27歳。1敗は14年10月、先月世界挑戦したロビンソン・カスティジャノス(メキシコ)に5回TKO負け。以降は5連勝中。

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